『家族に見つかったら
大変なことになっちゃうから
ここに居て下さいね』



彼は振り向かずに
軽く右手を上げた。





『…あ…れ…?』



また眠ってる。




疲れているんだな…きっと。




そう言えば
名前を聞くの忘れてた。



『おやすみなさい、綺麗な人
ゆっくり休んでね』



静かにドアを閉め
私は、リビングへ向かった。




食事とお風呂を済ませ
部屋に戻ると
彼はタオルケットに包まって
すっかり熟睡していた。




金の刺繍あしらった
艶のある白いシャツ。

細く長い脚を強調させる
黒いスリムパンツ。

胸元には
オーロラ色のペンダント。


蒼白の肌は
奇跡的に綺麗で

身体全体には
神秘的なオーラを纏っている。




どうして…?



どうして私のところに
来てくれたんだろ?






そして、不思議な夜は
静かに更けていった。