まだ着慣れない袖に手を通し、鏡の前に立ち見てみる自分の制服姿。


「よし。」


玄関を出ると顔に降ってきた桜がついた。


桜をすぐに持ち歩いている文庫本に挟め、進み出した。







俺、原田 けいとは今年、中学2年生にめでたく進級。


が、今年度になって転校することになってしまった。
急だったため、数少ない友人にしか転校を伝えなかった。


そして、今日が転校生デビューの日


しかし恥ずかしながら、地図を見ながら登校中…
どうも、斜め通りが苦手。
ポストの位置がわかりづらい…




カッカッカッカ…

後ろから足音が…

カカカカカカカッ


え?


なに!?



襲われる!?


トン!


「おはよ!」


びっくりして地図を思わず後ろに隠した。


誰だ?女の子?
俺に言ってた…?


え、走ってどっか行ったし…


同じ制服。

てことは、同じ学校。


そして、俺は思った。


あの女の子の後をついていかないと学校にたどり着かないだろう

と。


プライドもあったが、遅刻よりはましだ



その後(ストーカーにならない程度に)女の子の後をついて行いった。