「お義父さん、気を悪くさせてしまって申し訳ないです、
ですが婚姻届は僕たちが責任を持って役所に出してきますので、
どうぞ安心なさってください」
蓮見さんの言葉に怒った二人のお兄さんは席を立って部屋を出て行ってしまった。
「雪村さん、気を悪くさせてしまって申し訳ない」
「いえいえ、こちらこそ心配かけてしまったので大丈夫ですよ」
「お父さん」
「大丈夫。昔千草に教えたことがあっただろう?」
「そうね。分かった」
千草、名前を呼ばれて腕を掴まれた。
「少し娘さんをお借りしでもよろしいでしょうか?」
「どうぞ、千草、陸人君に粗相のないようにね」
「はい、お父さん」
手を引っ張れるがまま家を出て、連れて行かれたのは陸人さんのお部屋だった。
広い部屋なのに、置いてあるのは机とベッドだけ。


