蓮見さんはそれでも放してくれることはなくて、
ただじっと私を見ている。
..そんなに見られたら、恥ずかしいんだけれど。
「お義父さんはもう来てる」
「あ、ありがとう」
やっと解放された私は玄関先まで向かう。
よかった、これでお父さんにちゃんと話せる。
「千草」
先を行く私を蓮見さんがひきとめた。
まだ何かあるのだろうかと振り返ると
彼はにっこり笑った。
そんな笑顔を向けられても
今の私にはどうすることもできなくて、
再び前を向いてお父さんの所へと向かった。
「おお千草、おはよう」
家に入る前にお父さんは玄関先で待っていてくれていて
私が手を振ると笑顔で駆けつけてきた。


