私の声に振り返る、中条君。 ぎゅっとこぶしを作って中条君に近づいた。 「おはよう、雪村さん」 私の覚悟とは反対にいつもの調子の中条君。 だからって私の態度も気持ちも変わらない。 「中条君、昨日のモノ、返して欲しいんだけど」 「昨日のって何かな?」 意地悪だ、この人も。 「私の、婚姻届」 「ねぇ一つ訊きたいんだけど」 「な、なに?」 「この婚姻届、出したら雪村さんは結婚するの?」 「そ、そんなの!中条君には関係ないと思うけど」 「関係ない、か」