中条陽君って、どんな人なんだろう?



勉強できるし、みんなの人気ものだし。


女の子だけじゃない、男子からも信頼されてるし。
それに先生にも。



そんな彼があんなことを言うなんて。



信じられない、そう思ってしまう。


「ねえ、昌ちゃん」


「どうした?」


「中条君って、どんな人なんだろう?」


教室でこの話をしてると誰かに聞かれちゃいそうで、
放課後昌ちゃんと一緒に帰りながら訊いてみる。


「どうしたの?急に。何まさか千草、中条君が好きになっちゃった?」


「ち、違うよ!ただどんな人かなって思って」


「中条陽なら私よりも孝大の方が詳しいと思うけど」


「そっか」


宝生君は今日から本格的にサッカー部で活動するから
しばらくこうして帰ることができないし。