翌朝、篠塚さんに朝ご飯を早く用意してもらって、私は家を出た。


古典の先生はいつも登校が早い。
だから朝一番に職員室に行って適当に説明をして



ノートを見せてもらおう。




もしこれで入ってなかったら…想像するのが怖い。



蓮見さんの事だもん、絶対に呆れそう



そしたらこの結婚はなくなるのかな?


いつもよりも電車を早く乗って走ったかいがあって、
一番最初に教室に着いた。



悩みごとがなければ嬉しいんだけど。今はそれどころじゃない。


職員室に行くとやはり古典の先生が既にいて。

大事なものが挟まっているかもしれないと
説明してノートを見せてもらったけれど
そこには婚姻届は挟まっていなかった。



どうしよう、もしかして学校で落とした、とか?


でも婚姻届が落ちてたなんて、絶対にすぐに噂になるはず。



「失礼しました」