数分もしないうちに二つのカップを持ってこちらにやってきた。
あ、お金、払わないと。
バッグからお財布を出そうとするけれど、無理矢理カップを二つ持たされて
うまく出すことができない。
「早くしろ、行くぞ」
「え、でもお金」
「そんなのは別にどうでもいいだろ?」
「よ、よくないです!こういうのはきちんとしないと」
「だからいいって」
「だから駄目ですってば!」
言い合いしてもお互い譲る気はなくて。
だけど結局蓮見さんが折れて、私は車に乗ってすぐにお金を出した。
「黙って払われとけばいいものを。大体、お前だって
金持ちなんだからこんなの別に気にならないだろ?」
「私は父の仕事と家が立派なだけなくらいで、後は普通です」
「変な女」
「なんとでも言ってください」


