寝てるみたいだし、こっそりなら大丈夫だよね?

ゆっくり顔を近づけてみる


あと少しで陸人さんの唇に届きそうなところで
陸人の目が覚めた。


「キャー!!」

「キャーは俺だっつーの」


陸人さんが驚いた顔で私を見る。
だってまさか起きるとは思わなかったから。

「何だよ、キスしたかったのか?」

ニヤリと見せるのは悪魔の笑顔。

「そんなんじゃ、ないですけど」

「じゃあなんだよ」

聞いてみても、いいのかな

「あの、陸人さん」

「ん?」

すっと伸びた手が、私の髪に触る。
優しくて、温かい気持ちになる。

今なら訊けるかもしれない。

「あの、陸人さん、私の事をどう思ってますか?」