「さっきからぼーっとしてるけど?」
「うん、ねえ昌ちゃん」
「うん?」
「その..さ、誰かと約束を破ったら、破られた相手は当然傷つくよね?」
「そんなの、当たり前じゃない」
「ですよね、あははは..」
そんなの、聞いたって簡単に答えは出る。
私だって、陸人さんが約束を破ったら傷つくし。
でもでも、あれは事故で、私が特に何かしたってわけじゃないし..
でも結果的には破ってしまったのと同じだし。
「中条がなんかしたの?」
「事故、だったんだけど。さっき指切っちゃってさ。それで」
思い出すだけでも恥ずかしくなる。
中条君が私の指を、なめた、なんて。
「全くあいつは、本当に!中条一体どういうつもりなんだろう?」
「中条君、陸人さんを恨んでるかもしれない」
「どうして?だって陸人さんと中条って接点どこにもないじゃない?」
「そう、なんだけどさ。でも私にいろいろしてきた事とか」
あの時の、中条君の冷めた目。私に対する態度。
全部がただのいたずらっていう風には見えない。
だけど、それよりも私が今一番考えているのは
陸人さんとの約束を破ってしまったっていうことで。
「ねえ昌ちゃん、私...陸人さんに嫌われるかもしれない」


