「ちょっと、中条君っ!」
血が出ているわたしの指をそのまま口元に運んでるのだ。
きゅっと血を吸われているだけなのに、なぜか変な気持ちになる。
中条君の口の中に、わたしの指が…
なんて!のんきに思っている場合じゃない!
「お前も約束しろよ、他の男に触れないって」
…陸人さんと約束したのに。あっさり破ってしまった。
「わ、私。先生に言ってばんそうこうもらってくるから」
どうしようどうしよう!
そんな気持ちなんてどこにもないのに。
どうしてこんなにどきどきしたりするの?
「美味しかったね~」
カレー...多分美味しくできたと思う。
正直言うと、そんな味まで覚えていない。
あの時の、中条君に触れられた感触と
陸人さんとの約束を破ってしまった罪悪感で私の頭は
もうパンク寸前だ。
今日の作業はすべて終了。食器をそれぞれが片付けが終わった。
あとは男女別々の部屋で過ごすから、中条君と会うことはない。
とりあえず、明日の朝までにこの頭の中を整理しないと。
「千草、なんかあった?」
「昌ちゃん...」


