「悪い、家まで待てなかった」 耳元でささやく言葉はいつもとは違う陸人さんみたい。 そしてこの真っ暗闇は私を大胆にさせた。 陸人さんの背中に手を回す。 「陸人さん、ありがとう」 陸人さんが私の肩に手を置いた。自然と瞳をつぶれば陸人さんの 顔が近づいてくるのが分かる。 でも唇が重なることはなかった。 そのまま私の顔は陸人さんの胸の中に入る。 キス、やっぱりしてくれなかった。 「帰るぞ」