「このホテルの30階に用事がある」
陸人さんに言われるがままエレベーターに乗り込んだ。
よかった、このワンピースを選んでおいて。
ホテルにデニムだったらちょっと入りにくいもんね。
ちんっとエレベーターを降りて歩いた先にはイタリアンレストラン。
そこには一人の男の人が立っていた。
「九十九!」
陸人さんが名前を呼ぶと、男の人がぱあっと笑顔になる。
…あの人が九十九さん。
見た感じでは陸人さんよりも年上に見える。
陸人さんとは違うけれどさわやか好青年っていう感じだ。
でもこの人確か..
「はじめまして!九十九正太郎です!」
「はじめまして、千草と申します」
深々とお辞儀をして頭を下げる九十九さん。
その礼儀正しい男らしい姿に似合わない、可愛い声。


