「へぇ、逃げるんだ?」

「逃げる?」

「だってそうだろ。いつかは自分が思ってるやつ以外の男と結婚するんだぞ?」


「たとえそうだとしても、今はその時ではないと思います」



失礼します、と立ち上がったのと同時に足に痛みが走った。
足が、痺れて、うまく動けない、けど。


ここは私がしっかりしないと!


ふらふらとなりながらも部屋を出て行こうとすると、
襖の扉に頭をぶつけてしまってその拍子で体がよろめいてしまった。



足がうまく動けないせいで倒れそうになる、
そう思っていたところでその予想は大きく崩れた。



「やっぱり足、痺れてたんだな」

「は、放してください!」

「さて、どうしようか?」


なんて意地悪なの、この人は!なんて性格が悪いの!



「な、何がしたいんですか!?」