「千草?どうした?」
「あ、ううん何でもないです」
「社長こちらの資料ですが..」
これ以上声を聞きたくなくて、電話を切ってしまった。
社長って言ってたし、多分相手はお仕事の相手なんだろうと思う。
それ以外には何もないということも。
でもさっきからぐるぐると回っては想像してしまう。
声はすごくきれいな落ち着いたものだった。
きっと綺麗な人なんだ。仕事ができて、陸人さんを支えられる人。
その人と、陸人さんは一緒にいる。
そういう人と一緒に仕事をしているんだ。
「陸人さん」
やっぱり寂しいって正直に言えばよかった?
そばにいてほしいって言えば、こんな気持ちにならなかった?
「うっ..」
ぽたぽたっと涙が落ちる。なくつもりなんてこれっぽっちもないのに。
「りく、とさん」
会いたいよ


