『なーんで、あんたって子はこんなに役立たずなんだろうねぇ』
『・・・ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、ママ・・・』
泣いてる、小さな女の子が・・・。
床には、割れたコップ。
その破片のせいで足が傷ついて出血しちゃっているし。
手当、してあげないと。
あれ、なんで私ここから動けないの?
あの子のこと、助けてあげなくちゃ・・・。
『お前の躾が悪いせいだろっ!うるせーから押し入れにでもいれとけよ!』
『全部あたしのせいって言うの!?この子が出来たのはあんたのせいでもあるんだからね!?』
ねぇ、夫婦で喧嘩している場合じゃないよ。
あの子の傷を、見てよ。
『ごめんなさい、ごめんなさい・・・パパ、ママ・・・。喧嘩しないで・・・パパぁ、ママぁ・・』
泣いてるよ?
あなたたちの娘が、泣いてるんだよ?
抱きしめてあげてよ。
安心させてあげてよ・・・。
『お前にパパなんて言われたくない!!ここに入って静かにしてろっ!!』
髪を掴まれて、押し入れに入れられてしまった女の子。
なんで、こんなに痛いんだろう。
胸がぎゅうってなるんだろう。
まるで、私を見ているみたいで・・・どうしようもなく息苦しい。
・・・私を、みているみたい?
ちがう、違う・・・。
あの子は、私自身だ・・・。