ってか、俺って紗絵の兄さんだと思われてる・・よな?
このタイミングで言うべきかどうかも・・・分かんないけど。
男として、近藤を意識してしまったからには言うべきだ。
「近藤・・・一つ、言ってないことがある」
「何ですか?」
「俺は、紗絵の兄さんじゃなくて・・・彼氏だ」
やっぱな、そうなるよな。
目をぱちくりさせて一時停止中の近藤。
「俺はっ!なんてことをおおお!!すいません、すいません!!」
へ?
「な、なんで謝るんだ?」
ぺこぺこと頭を下げてる近藤。
なんか忙しいやつだなぁ。
「佐伯の彼氏に向かって佐伯のこと好きですって何回も言ってたんですよね!?俺・・・。嫌な気分にさせてしまってすいません・・・。いや、でも!あの!俺・・・佐伯のこと諦められないので・・・・!宣戦布告っす!正々堂々と戦わせてください!」
ははっ!
潔いな、近藤。
「ん、そのつもりで話したんだ。・・・俺がいうのもなんだけど、お前は良い男だと思う・・。学校での紗絵のこと、よろしく頼む」
「ず、ズルイっすね・・・その発言は・・・。なんか、攻めづらいじゃないですか」
「そうやすやすと、紗絵に手出されてたまるかっての!!ははっ!でも今日から・・ライバルだ」
「ハイ!!」
男同士の熱い握手を交わした。
「んじゃ、そろそろあいつら返してやるか」
「うっす!」