「・・・ムカついたのよ!だからしたの!」
一人がこっちを鋭い目つきで見つめながら口を開いた。
「浅井!お前そんな理由で佐伯を!?」
「だって・・・」
「近藤がいけないのよ!!!」
近藤の言葉に今度は鈴村って女が叫ぶ。
「いっつもいっつも!佐伯にばっかり構って・・・!他の男子もそうよ!何かにつけて佐伯佐伯って・・!あたしはずっと・・近藤が好きだったのに!近藤はいつだって佐伯のことしかみてない!」
鈴村は近藤のことが好きだったらしい。
まぁ、こんな爽やか少年モテない方がおかしいしな。
つまり、紗絵に対しての嫉妬だったってわけだな?
「・・・俺は納得のいく言い訳をしろって言ったんだけど?言いたいことはそれだけでいいんだな?」
これっぽっちも納得のいくような内容じゃない。
到底、情けをかけるつもりにもならない。
「佐伯ばっかり幸せそうでムカついたんだもん!!いっつもニコニコしちゃって・・・。ちょっとくらい痛い目みればいいって思ったのよ!!」
紗絵ばっかりが幸せそうで・・・ムカついただと?
いっつもニコニコして?
ふざけんじゃねぇよ。
「紗絵が笑顔の理由も知らねーくせに、
紗絵が今までどんなふうに暮らしてきたかも知らねーくせに、んなこと言ってんじゃねぇぞ。
お前らが知らないだけで、あいつは今までだって色んな苦労してきたんだ。
笑顔の下にいくつもの悲しみと苦しみを背負ってんだ。
紗絵の表面だけしか見ずに、自分の気持ちしか考えずに・・紗絵にあんなことしやがったのか」
握った拳に力が入りすぎて手が震える。
気持ちが、震える。
許せるわけが、ないんだ。


