君の全てを誰よりも愛そう



恵さんとの別れはかなりあっさりとしたものだった。


だから今更話があるわけもない。キッパリ終わってるんだから。


まず再会するとさえ思いもしなかったのに。


とにかく俺はいつも通りに仕事をこなすだけ。



「コウ、お疲れさん。俺ここで仮眠してそのまま会社行くから片付けはいいぞ~。あ、これ紗絵ちゃんにクッキーだ」

「はは・・。ありがとうございます。お先です」



仁さんがそういうので紗絵へのクッキーを持って帰ろう


もう三時か、外さむそーだな。



「・・・何してんですか」



裏口を出てすぐにある自販機の横で煙草を吸ってる恵さん・・。




「言ったでしょう?待ってるって」

「もう三時ですよ・・。ずっと待ってたんですか?」



はぁ・・・。


いくら関係がないからと言ってもこんな時間まで外で待っていたのかと思うと罪悪感。




「歩きですか?」

「ええ」

「タクシー呼びます。話はその間にしてください」



こんな時間に歩いて帰れともいえないし、送っていくのも違う気がして。


かたくなに話を聞かないと言ってこんな時間まで待たせてしまった罪悪感もあるから話くらいきくか・・・。



「これ、カイロがわりです」



寒そうに腕をさすってる恵さんに自販機で買ったココアを差し出した。



「変わらないわね。さらっとこういうことが出来ちゃうとこ」

「・・・話ってなんですか」



それさえ聞けば、もう終わりに出来るはずだ。


はやく、帰って欲しい・・・。


だからといって別に恵さんが嫌いなわけじゃなくて。


ただ、紗絵が大切なだけ。