「いっらしゃいませ」
仁さんにイジられつつも開店準備を終えてカフェがオープン。
お客さんも徐々に入る中、予想外の人物が来店した。
「久しぶりね、高木」
恵さんだ・・・。
出来ればもう会いたくなかった人だ。
紗絵に疑われるのは嫌だし。
「いらっしゃいませ、お客様。お一人様ですか?」
「随分他人行儀なのね?」
「ご案内いたします」
俺はバイト中で恵さんはお客様。
余計な話をする必要はない。普通のお客様と大差ない態度で接客しよう。
「カプチーノ一つお願い」
「かしこまりました」
注文をとってすぐに裏へ向かおうとしたら腕を掴まれた。
「少し、話があるの」
「お客様・・。申し訳ありませんが仕事中ですので、失礼いたします」
「なら、終わるまで待ってるわ」
「勤務終了は早朝ですのでやめてください。カプチーノお持ちいたしますので、失礼します」
恵さんの手を振り払って裏へと戻る。
今更何を話すつもりなのかさっぱり分からない。


