「紗絵?」
紗絵が一点をみつめて停止してる・・。
気になってるよな、恵さんのこと。
「さっきのは・・前に付き合ってた人だ」
「・・・うん」
どう伝えればいいのか、分からない。
元カノなんて言ったら傷ついてしまいそうだ。
だけど嘘をつくのは違う気がして。
だから、本当のこと伝えた。
「けどもう随分前のことだし、俺には紗絵だけだから。そこは分かってくれる?」
「うん・・。分かってるよ!大丈夫。ただ・・・同い年に生まれてたら初めての彼女になれたのかなぁって思って」
困ったように笑う紗絵。
「それは、困るぞ俺が」
「え?」
「だって歳が近かったらよー・・紗絵年上のイイ男と付き合ってそーじゃん。可愛いし、いい子だし」
今、紗絵と一緒にいることが出来るのも。
この年齢差なのも。
きっと、意味がある。
紗絵と同い年で出逢っていたら・・・
紗絵の方が俺よりも年上だったら・・・。
紗絵のことを守ってやることが出来なかったかもしれない。
紗絵の暗闇を分かってやれなかったかもしれない。
だから、これで良かったんだと思いたい。
「初めての彼女じゃねーけど、最後の彼女になるってど?」
「・・・ふふっ!最初よりも最後の方が嬉しい!」
笑顔、戻ったみてぇだな。
やっぱり紗絵には不安になってほしくない。
出来ればたくさん笑顔でいてほしい。


