「お願い、ほっといて・・お願い」
「だから無理だって言ってるだろ」
「でも!・・お願いだから・・ってきゃあ!?」
言っても分からないなら実力行使だ。
紗絵をお姫様抱っこした。
「み、みんな見てるよコウくん!」
「だから?」
「おろして・・」
「ダメだ。逃げるだろ」
行き交う人ほとんどの視線を集めながら俺は紗絵を抱えたまま家へと向かった。
諦めたのか紗絵は顔を隠すように俺の胸へとしがみついている。
はぁ・・・。
何も言わずにどっか行きやがって、心配したじゃん。
でも見つかってよかった。
「紗絵、なんで黙ってどっか行ったりしたんだ」
家について紗絵をベッドの上におろした。
「俺のことが嫌になったんならそう言ってくれていい。だけど、黙ってどっか行くのは心配するだろ」
「嫌なんて・・思ったことないもん・・・」
シーツを握りしめ、唇をかみしめる紗絵。
「じゃあ、なんで」
「・・・から」
「ん?」
「コウくんは、優しいから!だからだもん!」
俺が優しいって・・どうゆうことだよ。
それとなんの関係がある?


