かれこれ数時間探し続けたけど紗絵はいなかった。
気が付けばもう完全に朝になってしまっている。
一睡もしてない俺の体に容赦なく注がれる太陽の光に、思わず目を伏せてしまいたくなる。
こんだけ探していなかったんだから家に入れたのかもな。
後ろ髪引かれる思いで家に帰ってシャワーを浴びた。
「何も言わずにどっか行くなって言っただろ・・」
俺の部屋の至るところに紗絵のために揃えたものがあって、とりあえず今は考えるのをよして寝ようと思ったのに・・考えてしまう。
洗面台に並ぶ俺と紗絵の歯ブラシ。
紗絵が髪をまとめるときにつかうシュシュとかいうやつ。
ピンク色の布団一式。
紗絵専用のマグカップ。
考えるなって方が無理だな、これは。
以前付き合っていた彼女とは家に入れても泊めたことはなかった。
それこそ私物を置いて行かれるのなんて不快とすら思ってた。
それなのに、この部屋のところどころにある紗絵のためのモノを見るたびになんだか気持ちがはねるのを感じるんだ。
結局一睡もすることなく俺は大学へと足を運ぶこととなった。


