「お疲れさん。今日は休憩もろくにとれなくて悪かったな。明日は臨時休業だ、ゆっくり休め」
「そうなんですか?分かりました、お疲れ様です」
さっさと帰り支度をして明け方の道をダッシュ。
なんか紗絵に出会ってから走ってばっかだな。
自分が誰かのためにこんなに走る日が来るなんて思ってなかった。
今まではなんとなく他人に興味がわかなかった。
それなりに友達もいたし、付き合ってきた人だっている。
だけど、一日中心配したり・・守ってやりたいって思ったり。
そんなこと思ったことはなかった。
来る者拒まず、去る者追わず。
極端に言えばこんな感じだったんだ。
それなのに、紗絵だけは特別って言いきれる。
なんでかはハッキリと分からない。
だけど、特別なんだ。
傷ついてほしくない。
俺のいないとこに、いって欲しくないって思ってしまうんだ。
「紗絵、いるのか?」
自分の家につけば家の中は真っ暗だ。
もしかして、いないのか・・。
玄関に紗絵の靴はない。
「紗絵?」
自分の家にいったのか?
でもこんな時間に紗絵が家に入れるわけない。
どっかほっつき歩いてたら・・。
荷物だけを家に置いてまた外を駆け回る。
どこ、いんだ。
思い当たるとこを探してもどこにもいない。
家に帰れてるならいいんだ、別に。
だけど・・また外をふらついてるのかと思うと気が気じゃない。


