「最近は、背中・・蹴られるようになったの・・」
だんだんと呼吸が苦しそうな紗絵。
途切れ途切れに零す言葉を聞き逃さないように、息をひそめることしか出来ない俺。
震えてる紗絵に何かしてやりたくて肩に腕を回し引き寄せた。
「私が耐えれば、いつか好きになってくれるって思ってたの・・。だけど、ダメだったみたいっ。わ、たし・・もっと頑張らなくちゃっ!!親にすら愛してもらえないっ!!」
泣きながら叫ぶ紗絵。
今までだって、十分頑張ってきたじゃねーか。
こんなに、なるまで耐えてきたじゃんか。
「紗絵・・」
「・・・中学生になってからは、なるべく家に帰って来るなって。だけど・・行く場所なくて・・だから、夜は警察にみつからないように色んなところに隠れてたの・・。それで、コウくんにも迷惑かけちゃって・・・ごめんなさい」
「バカいうな、迷惑なんてこれっぽっちも思ってないから」
紗絵のことを迷惑に思ったことなんて・・一度もないんだよ本当に。
むしろ、なんでか紗絵が傍にいてくれることにホッとしている俺がいる。
未来にしか興味のなかった俺が、紗絵がいる今を大切にしたいって思うようになったんだから。
「紗絵が傍にいてくれたら・・俺は嬉しい」
だからさ、紗絵
「俺のこと見て、紗絵」


