俺が後悔の念にさいなまれている間に、兄さんは二人を佐伯を閉じ込めていたこの視聴覚室に閉じ込めた。
「今日はここでおねんねしやがれ。じゃーな。行くぞ、近藤」
兄さんに名前を呼ばれてハッと意識を戻した俺。
「いや、出して!!お願い!!」
「ちょ、本当にこのままにするつもり!?」
中から二人の叫び声が聞こえてくる。
さすがにここまですると思っていなかった俺はちょっとその行動にビビり気味だ。
「兄さん、マジでこのまま帰るつもりですか・・?」
「さすがにこのまま放置はしないよ。それこそ警察沙汰だしな・・・。頭冷やさせるだけだ」
そういった兄さんは廊下の窓を開けて煙草を取り出し、火をつけた。
その姿から感じる、静かな怒り。
その姿をみて、どうしようもなくやるせなくて涙が出てきた。
俺が佐伯に関わらなければ、佐伯も兄さんもこんな思いをしないで済んだ。
こんなに苦しまなくて済んだ。
全ての元凶は俺なんだ。
「・・・すいませんでした」
頭を下げずには、いられなかった。
「別に悪いことなんか何もしてないだろ。謝らなくていいよ」
兄さんの言葉に、体が震える。
なんで、俺のことを責めないんだろう。
鈴村の言葉を聞いていたはずなのに。
「俺のせいです。佐伯が・・・あんな目にあったのは・・・」
「なんでそう思うんだ?」
「さっき・・鈴村が言ってた・・・。俺が佐伯を特別扱いしたからだって。俺が、佐伯のことを好きになったからいけなかったんだ」
まとわりつく後悔と、自責の念。
それでも佐伯を好きだという気持ちが消えなくて、痛い。
俺のこの気持ちが、今回の事件を生んでしまったのに。
それでも俺は佐伯のことを好きでいる資格があんのか?


