それから兄さんのとった行動はかなり予想外で。
タクシーに二人をのせて夜中の学校へとやってきた。
そして普通の校舎ですら不気味なのに、夜中の旧校舎へとやってきて佐伯が閉じ込められていた部屋に二人を押し込んだ。
や、やりすぎなんじゃ・・・。
そう思う俺と、もっとやってしまえと思う俺がいて、気持ちはかなり複雑。
「なんで佐伯にあんなことしたんだよ、浅井・・鈴村・・・」
ようやく、聞きたいと思っていたことを聞いた。
「・・・ムカついたのよ!だからしたの!」
浅井から返ってきた言葉は予想の範疇を超えた言葉。
ムカついたから?
たったそれだけの理由で・・・佐伯にあんなことをしたのか!?
「浅井!お前そんな理由で佐伯を!?」
「だって・・・」
「近藤がいけないのよ!!!」
そう叫んだのは浅井ではなくて鈴村だ。
「いっつもいっつも!佐伯にばっかり構って・・・!他の男子もそうよ!何かにつけて佐伯佐伯って・・!あたしはずっと・・近藤が好きだったのに!近藤はいつだって佐伯のことしかみてない!」
鈴村の悲痛な叫びを聞いて、まるで頭を鈍器で殴られたかのような衝撃を受けた。
嘘、だろ?
その理由が本当なんだとしたら・・・俺のせいだ。
俺が佐伯を好きになったから。
佐伯に好意的だったから。
だから・・・
だから佐伯はあんな目にあったのか・・・?
「佐伯ばっかり幸せそうでムカついたんだもん!!いっつもニコニコしちゃって・・・。ちょっとくらい痛い目みればいいって思ったのよ!!」
頭が真っ白になってしまいそうな中、畳みかけるようにして放たれた言葉。
苦しくて、悔しくて、どうしようもなくやり場のない思い。
俺のせいじゃねぇか!!
くそっ!!
くそっ!!
くそっ!!
何がけじめをつけたいだ。
決着をつけたいだ。
本当はそんなことしなくても良かったんじゃねぇか!!!
俺が、俺が・・・!!
佐伯のことを好きにさえならなければ!!


