そこを動くなといったはずの浅井と鈴村はその場から消えていた。
話をちゃんとしてケリをつけようと思ったんだけどな・・。
そんなことを思いつつ俺は教室へと戻ってきた。
「あ!近藤くん・・・!」
もう日も暮れ始めていて、校舎に残っているのは教師と遅くまでやっている部活の生徒のみ。
だけど、教室には市川さんがいて・・・。
いて?
ちっげぇえええええ!!
俺じゃん!!
俺が市川さんに頼んだんじゃねーかあああああ!
「ご、ごめん!市川さん!!佐伯見つかったんだ・・・。頼んでたくせに報告忘れてて本当にごめん!!」
さすがに怒るよな・・!?
やべぇよ、めっちゃ失礼なことしちまったよ俺。
なんてことを・・・!!
「そうなの!?」
大人しめの彼女からは聞いたことのないような大きな声。
こ、これは完全に怒らせてしまったぞ・・・!!
「本当にごめっ」
「良かったよう~!!」
きちんと謝罪をせねばと思って思い切り頭を下げた瞬間、そんな言葉が聞こえてきて。
思い切り下げた頭を今度は思い切りあげた。
「私いろんなところ探してみたんだけど、全然みつけられなくて・・・近藤くんになんて言っていいか・・・。でも、見つかったんですね!!良かった!!」
そこには満面の笑みの市川さんがいて、素直にこの子可愛い人だなって思った。
そんでめちゃくちゃ良い人だ・・・!
「市川さん、ありがとう!!マジで助かった!!」
「いいえ、何もお役に立てなくてかえって申し訳なかったです」
そんなことねぇ!!
「市川さんってめっちゃいい人だね。今度図書室いったらおススメの本とか教えてくれる?」
「え?は、ははははい!!」
「さんきゅ!今日から友達だ・・・!」
今度お礼をちゃんとしよう。
そうしよう。
固く心にそう決めた。
「あ、あとちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・」
「・・・?」


