君の全てを誰よりも愛そう




卒業式が終わり、保護者も最後のHRを見届けてそっと教室を後にした。


クラスメイトとのお別れや近藤ともゆっくりと話をしたいだろうからな。



「仁さん俺です」

「よぉ」

「あと少ししたら向かいます」

「おう、待ってんぞ」



よっし、仁さんに連絡もいれたし準備オッケーだ。


正門の近くで紗絵を待っていると、紗絵は近藤と肩を並べてやってきた。


こうして制服姿の二人をみるのも最後か。


ちょっと寂しいな。




「兄さん!」

「卒業おめでとう。卒業祝いにやるよ」



近藤にやったのは時計とネクタイ。


近藤は進学するらしい。



「いいんすか!?」

「色々世話になったからな」

「それは俺のセリフですよ」

「ま、頑張れよ」

「はい!」



こいつはなんだかんだカワイイんだよな。


紗絵のことを好きだということを知ったとき、正直ひやひやした。


同級生で性格も良くてなかなか爽やかだし?


この歳のわりに気もきく。


紗絵のことはどうしたって譲れないけど、兄さんと慕ってくる近藤をいつの間にか好きになっていた。



「じゃ、佐伯。いつかまた」

「うん。私近藤くんのおかげで高校生活楽しかったよ」



ニコリと近藤に笑いかける紗絵。



「おう!!俺も!」



近藤は何度も何度もこっちを振り返り手を振りながら去って行った。


今からクラスの打ち上げらしい。



「紗絵はいいのか?打ち上げ」

「うん。今はコウくんと一緒がいいの」



・・・デレ。



「じゃー。飯いこうか」

「うん」



紗絵と手を繋いで正門を出た。


周りの保護者たちは不可解な目でこちらをみてたけど、もう関係ない。


紗絵は俺のものだ!!