昼を過ぎれば玲央がお昼寝をはじめた。
「かわいいね~」
「ん、かわいいな」
ベッドの上で玲央を真ん中に挟んで川の字。
紗絵が優しい瞳で玲央の頭を撫でて、俺はそれを見守る。
そんな紗絵もかわいい~なんちて。
「コウくんはいいパパになりそうだね」
「そうか?子供は好きだけどな~!子供と孫に囲まれて死んでくのは最高に幸せだろうな」
紗絵がいてこその夢だけどな。
「紗絵もいいママになれるよ。今日ずっと玲央は紗絵から離れないし」
眠りにつく前だってぐずったけど紗絵から決して離れようとしなかった。
おかげで紗絵の着ていたシャツは涙でぐしゃぐしゃ。
それでも一生懸命玲央をあやす紗絵をみていてなんだか微笑ましかった。
「どうだろう・・・。私、親に愛された記憶ってあんまりなくて。自分に子供が出来てもちゃんと愛せるのかなぁって少し不安。だけど・・・今日玲央くんと一緒に過ごして、こんなふうに自分を信頼して身を寄せてくるこの子がすっごく可愛くて」
視線は玲央のままでゆっくりと言葉を紡ぐ紗絵。
俺はじっとそれを聞いていた。
「家族ってこんな感じかなぁって。家族に愛されるって素敵だなぁって思ったの」
一瞬紗絵の瞳の奥に、出会った頃の暗闇が見えた。
紗絵の心の中にある深い闇は・・・きっと家族に愛されなかったことなんだろう。
今までたくさん辛い思いをしてきたんだよな。
だけど、これからは
「紗絵の家族はもういんだろ?これから先ずっと、俺は紗絵のそばにいるよ」
自然と出てきたその言葉に、嘘偽りは全くないから。
「プロポーズみたいだよ、コウくん」
「当たり前のこと言っただけだっての」
プロポーズはもっとカッコつけさせてくれよ・・・。


