アパートへ戻る途中。
こっちに向かって走って来る女の子をみつけた。
「紗絵!!」
部屋着のままの紗絵が走ってる。
まだ体調回復してねぇのに。
「コウくんっ!」
俺に気づいた紗絵が涙を流したのが分かった。
紗絵・・・?
走っている勢いは衰えないまま、俺のところへ走って来る紗絵。
そんな姿をみて愛しさがこみ上げる。
「紗絵、おいで」
紗絵を受け止めるために腕を広げれば
「コウくん、大好き!」
紗絵が飛び込んできた。
ぎゅっと抱きしめる。
何があったのかは分からない。
だけど今日一日、ずっと紗絵が頑張ってくれていたのが分かる。
いつも自分の意思を強く出すことのない紗絵が、あんな風に人に訴えかけたことはなかった。
俺と一緒にいるために、頑張ってくれたんだよな。
でも安心しろ。
俺だって、紗絵と一緒にいたいんだ。
「俺も大好きだ」
道のど真ん中で抱きしめ合う俺と紗絵。
こんなに愛しいのに、はなれられるわけないだろ。
「一緒に、帰るか」
「うん、うん・・・・・」
俺の首に腕を回していた紗絵をそのまま抱き上げて、歩き出す。
いつの間にか近藤がいなくなっていたから気をきかせたんだろうな。


