「そっか」
近藤に言葉をかけるのはなんとなく違う様な気がして。
「でも、俺案外ズルいんすよ。告白しないかわりに、佐伯の傍にずっといますから。卒業するまでは・・・」
「ん、いいよ。紗絵の嫌がることする奴じゃないって分かってるから。まぁ、本音は複雑だけどな」
近藤が本当に良い奴なのは分かってる。
紗絵も近藤に対して良い印象を持っているのも分かる。
女として紗絵をみている近藤を、そばに置いておくのは嫌だけど。
けど、紗絵の高校生活を彩ってくれるのも確かだろう。
「男と男の約束だ。学校内では紗絵のこと守ってくれな」
頼むよ。
もう今回みたいな思いはたくさんだ。
だから、お前にまかせるぞ。
「了解っす。・・・俺も兄さんみたいな男だったら、佐伯にあんな必死になってもらえたんですかね」
「俺みたいになる必要なんてないよ。お前は充分いい男だから。いつかそんな女が現れるといいな、近藤にも」
めちゃくちゃ、紗絵を抱きしめたい気分だ。
俺のために、必死に恵さんに訴えかけてくれた紗絵。
本当に・・・もうどうしていいか分からないくらいに好きで仕方がない。
「そろそろ、戻るか」
「そうっすね」
30分はたっただろう。
紗絵と恵さんがどんな話をしているのかは分からない。
だけど、一つ分かっているのは
俺は絶対に紗絵だけは手放さないってことだ。


