「さよなら。二度と会うことはないわ」



立ち上がった恵さんは最後にそう言って、立ち去った。


カッコイイ人・・・。


ちゃんと、受け取りました。


恵さんの気持ち。


過去の人の気持ちの上に、私は立っているんだね。


そのことを・・・絶対に忘れちゃいけないんだ。



「迎えに行こう。コウくんのこと」



無性にコウくんに会いたくて、部屋着のまま靴を履いてドアを開けた。


アパートの階段をダッシュで下る。


やっぱりまだ体のダルさが後を引いていて、くらっとするけど。


それでもすぐにコウくんに会いたくて。


会いたくて。


会いたくて。


ちょっとの間しか離れてないのに。


今すぐコウくんに触れたくなった。


あんなにカッコイイ人よりも、私をみてくれた。


コウくんに大好きって伝えたい。