「恵さんは・・ただコウくんを好きだっただけです。私も、コウくんがただただ大好きなだけです・・・。大切に、します。コウくんのこと、大切にします」
私がコウくんを好きなことで、こうして泣く人がいる。
私とコウくんが笑いあうことで、苦しむ人がいる。
それでも私はコウくんと離れることは出来ないから。
だから、絶対に大切にする。
恵さんがコウくんを好きていてくれたこと、私は忘れない。
「コウくんのことを・・・好きになってくれた人が恵さんで良かったです。・・・ありがとうございます」
「あたし、あなたのこと嫌いよ」
「はい」
「本当に、嫌いなのよ。それなのに、どうしてか憎めないわ・・・」
恵さんはもしかしたら、自分の気持ちに決着をつけに来たんじゃないかな・・・。
「恵さんは、とっても素敵な人です・・・。だからどうか、二番目だなんて言わないで一番になってください。コウくんだけは譲れませんけど、絶対に」
「・・・言ってくれるわね。あんだけハッキリとフってくれちゃうんだもの、もう進むしかないじゃない」
恵さんは少し口角をあげて
「高木のはじめてはあたしが貰ったけど、恨まないでね?」
「んな!?」
知ってはいるけど!!
く、悔しい・・・・。
意地悪だ・・・。
「これから先ぜーんぶの最後は私のものですから!!」
「・・・そうして頂戴。あたしの気持ちをあなたに託すんだから、そうじゃなきゃ困るわよ」
恵さんの拳が私の胸を軽く小突く。
軽いパンチだったけど、心にはとてもズシッときた。
人の気持ちの重さ・・・。
ちゃんと受け取って、前に進んでいかなくちゃ。


