「休憩入っていいぞ~」
仁さんにそう言われて、事務所へ来た。
紗絵、寝てるみたいだな。
事務所のソファの端っこで丸まって寝てる紗絵。
そんな端っこで寝なくてもいいのに。
とりあえず俺の上着かけとこ。
さて、俺は斎藤さんからもらった仕事やるか。
紗絵の横に座って書類と向き合う。
「や、めて・・・殴らないで・・」
は?
寝言なのか・・?
紗絵の方をみやれば呼吸が荒くなって唸ってる。
魘されてるのか。
「紗絵、起きろ。紗絵」
「痛いっやめて」
「起きろ!!」
力強く紗絵を揺すぶる。
「はぁっ・・はぁっ・・私・・」
「魘されてたみたいだ。まだ震えてるな」
目が覚めても、紗絵の体の震えはおさまっていないらしい。
「おいで?」
紗絵を膝にのせて背中をさする。
「大丈夫。ここには怖いことなんもねーよ。このまま寝ちまえ」
俺が背中をポンポンすると紗絵の震えはおさまった。
「あったかい・・・」
「ん。このままでいるから、寝ていいよ」
そういってしばらく紗絵のことを抱いて背中をさすっていた。
「寝たか・・」
一体この子に何があるんだろうか。
紗絵の瞳の奥の闇、夢の中でも苦しんでいる理由。
今日はじめて会ったばかりなのに、気になって仕方ないんだ。
この俺の腕にすっぽりうまってしまう子が、辛い思いをしてたらと思うとやるせないんだ。


