「なんで泣いてるの?」


男は首を横に振る。
まるで泣くことがやめられないように。


「待って!おいていかないで!」


また風がふいた。
男がまた向こう側を向いて遠くなる。


視界がにじむ。
いつの間にかジアは涙を流していた。