「ひーやーまー君!!」




「おはよ」




2年5組24番花木未苑。




今日も肥山君に朝から叫んでます!




「お、おっす」




「朝から元気だね」




「え?肥山君は?」




元気じゃないの?




「朝はあんまり」




「そうなんだー」




肥山君の朝は調子悪いそうです!




低血圧?




「そう言えば肥山君っていつも遅刻ギリギリだよね」




「自転車で来てるから」




「えっ!!そうだったんですかっ!?」




「え、逆に知らなかったの」




「あ、あれ?」




肥山君は自転車通学、




肥山君は自転車通学、




肥山君は自転車




肥山君は自転車…




私は歩き…




何のこっちゃ!




「俺一年の初め自転車起こすの手伝ってあげたの覚えてない?」




「え…」




あぁ!そっか!





「えっ!もしかしてあの時の!?」




「…そうですが」




「あの時はお世話になりました!」




そうだったんだ!




あ、て事はよ?




私が肥山君を好きになった始まりは…




「今更だけどね」




「これは訳ありで」




「まあいいよ」




なんかスルーされたぜ。




「肥山君、覚えててくれてありがとう!」




「…いいよもう」





「あの、肥山君!」




「なに?」




「今日、私と一緒に帰ってくれませんか!」




きゃー、ゆっちゃったー!




「はい?」





「だから、私と一緒に…」




「なんで?」




「あ、いや…まだまだお話したいなーと」




「…別にいいよ、暇だし」




「えっ!!?」




ほんと!?




ほんとに!?




ほんまに!?




「今日は許してあげるよ」




そう言って肥山君は教室に行った。




嬉しくて、一緒に帰るなんて




夢みたいで




私はその後、嬉しすぎてテンションが1ミリもダウンすることは無かった。