浴衣よし!





化粧よし!





髪型よし!




時間よし!





学校が終わってすぐ家に帰り花火大会の準備をした私。





6時に3人と集合になっている。





ずっと待ってたのに…





あれからさんじゅっぷーん!!





なぜこない!






もう6時半だよ?





集合って6時じゃなかったっけ。





いろんな不安が押し寄せる。





すると





「君ひとり?」





そう話しかけてきたのは同じ年くらいの男の子ふたりだった。





「いえ、待ち合わせしてて」






なんかやけに絡んでくるんですが!







まず誰ですか!





「でも来ないじゃん。俺らと遊ぼうぜ?」





そう言って私の腕を掴んだひとりの男の子。






「ちょっ!やだ!」





はなせー!!!





「いいから来てよ。俺が楽しませてあげるからさ」





「いいもん、そんなのいらな…」





「その手離してもらえるかな…?」





え?





私のピンチを助けに来てくれたのは





「なん、で?」





ここに…





肥山君は明らかに息切れだった。






走ったの?





さっきの男の子ふたりはブツブツと文句を言ってどっかに行った。






「なんでって、あんたの友達にさっき会って言われたんだよ」





雅ちゃん?





あ!





もしかして昨日の…





『なら私が魔法をかけてあげるねー』





って、もしかしてこのことだったの!?





肥山君と会うようにって?





「その友達が、3人で花火大会行くつもりだつたけど今日は俺にあんたを譲るってさ。それで走ってきた」






「え?」





「集合は6時っていってあるから早く行かないと他の男に先取られちゃうよだってさ」






「そんな…」





「遅れてごめん。…梓に捕まってた」





「梓…ちゃん?」





「そう。…告られた」





「…そうなんだ」





やっぱり梓ちゃんは肥山君のことが好きだったんだね。





自分を上げるためなんか言って…





ふたりは幼なじみで





私の知らない肥山君を梓ちゃんは知っていて。





「『はじめは自分の格を上げるために近寄ったけど絡むに連れてだんだん好きになってて…』俺にあいつの本性バレてから好きって気づいたって言われた」





「…」





でもやっぱり肥山君は断る理由がないよね。





なんか私…悔しいな。






だけど肥山君がそれで幸せなら、





私は…





「でも断ったよ」





「え…っ?」





どういう、意味?






「俺の中にいつもいたのは…あんただったよ」