次の日の放課後。





明日は花火大会か。





正直のらないな。





梓ちゃん…花火大会で自分の物にしてみせるって言ってたな…





ーーーーーー




学校の帰りに雅ちゃんと近くのオシャレなカフェに寄った。





私は雅ちゃんにここ最近のことを話した。





相談したかったから。





自分で考えなきゃならないのに。






「話してくれてありがと」





「ううん、こちらこそ聞いてくれてありがとう。なんか楽になったよ」





「それなら良かった。ここ最近未苑の様子おかしいの分かってたんだけどさ、話して欲しくて」






雅ちゃんは微笑んだ。





「遅くなってごめんね」





「ううん。ゆってくれるって信じてたよ」





雅ちゃんには本当お世話になったな。





「私ね…どうしたらいい?肥山君のこと…諦めた方がいいのかな」





「そんなのだめに決まってるじゃん!」





「うーん」





「未苑らしくないよっ!それに」





「うん?」





「未苑が肥山君に対する気持ちはたったそんなものだったの?ライバルが現れたら自分から消えるような想いだった?」






「それは…」





「自分の気持ちを自分で消そうとしなくていいんだよ?だって未苑は、」





「…」





「肥山君が大好きじゃんっ!!」





そうだ…私は肥山君が好き。





私の気持ちはそれ。






「迷わないでよ。そんな未苑、私は嫌いだよ」





「雅ちゃん…」





「未苑はいつも前向きで、明るくて元気で周りの人をいつも笑わせてくれた。そんな未苑が私は大好きで…だからいつも一緒にいるんだよ?未苑が暗かったら私も暗くなっちゃうよ。私だけじゃない。肥山君も同じだと思うよ」






「え?肥山君…も?」






「うん。未苑の周りは少なくともみんなそうだよ!」






「…うん…」






「私が見る限り、肥山君は未苑の事特別だって思ってるんじゃないかな」






「肥山君が?」





「だって、クラスマッチの日」






「え?クラスマッチ?」






「未苑がボールに当たって倒れちゃって、それを保健室まで運んでくれたのは、肥山君よ?」






「えっ、そうなの?」






確かに目が覚めたら保健室で。





誰が運んでくれたのかなんて考えてなかった。






「肥山君が直ぐに上から降りてきて、俺に任せてって言って未苑を運んでくれたよ」






「知らなかった…」






肥山君…何も言わなかったもん。






「普通の友達で自らあんな、運ばないよ」






「…」





肥山君…





会いたいな…





「肥山君に気持ち、伝えなくていいの?」






「…」






「後悔しない?このままでいいの?」





雅ちゃんの真剣さがとても伝わってくる。





やっぱり私は…





「肥山君が好き。私…伝えたい」






「ふふっ、そう来なくっちゃ!」






「伝えるだけ伝えたい」





「そっか!!なら私が魔法をかけてあげるねー!」





と、そう言って雅ちゃんは元気良く言った。