つぎの日。




あの花火大会まで後一週間。




教室に入った瞬間




「おはよ!未苑!」




「おっはぁー!雅ちゃーん!」




今日は肥山君と一緒に登校しました!




それも二人乗りで!




途中で歩いたけどー





やはり一緒に門を入ると周りの視線が!




あっちも!




こっちも!




そっちも!




いたいいたいいたい!




だってみーんな私を見るんだもん!!




なんでって、そりゃあみんな思うでしょ!




なぜ私が肥山君と一緒に登校してるのか、でしょ?




聞きたければくれてやる!




肥山君が昨日LINEで一緒に行こうって誘ってくれたからだよーん!




なので私は朝からハイテンション!





「未苑、顔」




「なっ、顔って」




相変わらずの雅ちゃん。




そして、雅ちゃんの隣に腰をおろしてるのが日高君。




そういえば昨日ね、あったね。




こういうときどうしたらいいのかな。




笑う?




泣く?




いや、泣くはダメか!




なら、はしゃぐ?




「おはよう」




「う、うん!おはよう日高君!」




やっぱり平常心やな!!




「今年の花火大会もまた行こうね!」




と、雅ちゃんは言った。





あ、そか…





本当は私、肥山君と行きたかったな。




「うんっ!」




けど…肥山君は違うもんね。




梓ちゃんと行くんだもんね。





「日高、あんたも一緒行く?」




と、雅ちゃんは日高君に誘う。





ええ!まじっすか!





「未苑がいいなら」





「えっ!私?う、うん!勿論」




ま、いっか。




何ごとも無かったようにすれば。




「おい花木ー」




「はい!」




私を呼んだのは同じクラスの市原君だった。




市原君とはほとんど関わりがない。





「これ隣のクラスの女子から。名前なんだったっけ…忘れた」





市原君からもらったその紙は手紙らしきものだった。





私はそれを黙って受け取り見た。





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花木未苑さん。


今日の昼休み屋上で待ってます。








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やっぱり、梓ちゃんだ。




そんな気がしたんだよね。




隣のクラスの女子からって言葉で。




行かなきゃ。




「なんだそれ」




そう言って横から見てきたのは日高君だった。





「はっ!えっ、ちょっ!みた!?」




私は日高君に聞く。




「あぁ。それよりまたアイツかよ。しつけー」





「え?なにがなにがー?」





と、何も知らない雅ちゃんは言う。





「あ?隣のクラスのなんとか梓って奴だよ。アイツ彼方のことが好きだからって未苑の事いじめるんだぜ?」





「え。それは無理。日高、どうにかしなさい」





「それ。俺もついていく」




日高君がそんなことを言い出してきた。





「ま、マジですかぁ」




私は言う。




「大マジだ。ただじゃおかねぇ」





こうして日高君は燃えたのでした。




頭が。





「燃えてねーよ!」




「えっ!!」