そんなある日のこと。




放課後先生に居残りさせられた。




「先生のさいてー!」




「先生は最低じゃありません。花木が課題出さなかっただけだからなー」




「見逃してくれたっていいじゃんかぁー」




「ほかの生徒はしてきてるんだぞ?」




「やだよー、一人で居残りなんてさみしい」




「花木のくせして可愛いこというな。なら俺がずっといてやろう!」




「結構です!!!」




だんごお断りです!!




…だんご?




団子?




団子食べたい。



「そんなはっきり言わなくても」



「いいから先生は職員室に帰ってください!」




「はーい」



やれやれと頭をかきながら立ち上がる先生。




先生そこ痒いのかな?



にしても無いよ?




髪の毛。



あー!もう!!



さっさと終わらして帰ろー




私は残りの課題に手を動かした。




やっ、やったあああー!




おわったでーい!!



サッサ帰りましょー




私はカバンを持って課題を手に職員室に。



「…んだよ」




あれ、隣のクラスまだいるのかな?




声が聞こえた。




外も薄暗くなり




誰もいない廊下がさみしい中




隣のクラスははっきりと明るい。




私はこそーっと隣のクラスを覗いた。




あ!梓ちゃんだ!




あと3人は同じクラスの男子かな?




にしてもやっぱりモテモテだなぁ。




私が梓ちゃんと叫ぼうとしたとき、




「1ヶ月後の花火大会で自分の物にしてみせるよ」




え?




花火大会?




それって…




血の気がさした。




肥山君…?




「そんなに彼方のこと好きなのかよ」




「だから好きじゃないって何回も言ってるでしょ。私が最近になって彼方に関わり始めた理由はね」




「…」




梓ちゃん?




「顔がいいからに決まってんじゃん。自分の評判も上がるし。ま、身長は低いからタイプじゃないけど」




と、笑う梓ちゃんがそこにはいた。




私は何も言えずただその場を逃げた。




聞いてはいけないような気がしたから。




それに梓ちゃんが怖かった。




全くの別人のように。




あれが、梓ちゃんが肥山君に近づいてた理由なんだ。