私の家に着く。




「肥山君、遅くなっちゃったけど…優勝おめでとう!」




「ありがとう」




面と向かって、これが言いたかった。




「やっぱり私が好きになった人だけはあるね!」




「なんだそれ笑」




肥山君が好き。




今はまだ、その言葉に返事をくれなくても




私はずっと、肥山君が好き。




大好き!




「やっぱりあんたは笑ってる方がいいよ」




「え?」




「いい意味で」




「そうかなあ!ありがとう!」




「俺は泣いてるあんたよりそっちの方が好き」




「ふえっ!!!?」




「あ、誤解しないでね」




「?、」




「もういいよ、帰りな」




「あ、うん!肥山君大好きです!」




「…返事に困るんだけど」




「うん、それでも好き」




「…そう。ならまた月曜」




「うん!」




2日間肥山君に会えないなんてやだな。




私が玄関のドアを開けようと手をかけた時。




「未苑!」




思わず振り返る。




「樹からLINE教えてもらっていい?」




「え…うんっ!!」




嘘!?




肥山君と連絡が取れるなんて!




「さんきゅ。ならまたな」




「うん!LINE待ってるよ!」




私は大きく手を振ってバイバイした。




少しづつ、少しづつだけど




肥山君と私の距離は徐々に近づいてるような気がします!