なんだか気持ちよかった。




この暖かい温もりが。




いい匂いに包まれた。




「…ここ…」




保健室?




「未苑っ!」




そう言って私に飛びついてきたのは




「雅ちゃん…」




だった。




「もう良かったぁー」




「良かったって?」




「私がパスしたボールが未苑に当たったのよ。ほんとごめんね」




「え、そうだったの?」




段々と記憶が蘇ってくる。




え、私確か…自分でシュートを決めたような…




って、そんなわけないか。




こんな運動音痴な私があんな高いリングまで投げれるわけない。




夢だったのか。




それにボールが当たったんだもん。




きっと私がキャッチ出来なかっただけ。




「一時間も起きなくて、本当びっくりしたよ…」




雅ちゃんは私を離して涙目になる。




「大丈夫だよ!私この通りだし、いつも元気百倍だし!」




「だから余計心配なんだよ」




「え?なんで?」




「いつも元気な未苑が元気無かったりしたら余計心配するじゃん」




「ははっ!ありがと!」




「ううん。無事でよかったよ」




雅ちゃんは私に微笑んだ。




私はこんなにも良い人に心配してくれて




こんなにも良い人に恵まれた。




「雅ちゃん大好きっ!」




雅ちゃんがいつもより大好きになった。




「私もだよっ」




私も雅ちゃんを大切にしたいって思ったよ。




…肥山君に出会って、私の人生は大きく変わりました!




私の人生がとっても明るくなって




とってもとっても楽しくなった!




肥山君に出会っていなければ、




人の気持を考えたりすることも、




人を大切だって思うことも、




冷静に判断することも出来なかったと思うんだ。




こんな毎日の能天気さんでも




こんな深刻な事を考える私が出てくるなんて思いもしなかった。




私は肥山君を好きになり、




距離が段々と縮まってきたその瞬間から




自分自身が変わってきてました!




「あっ!未苑!」




「ほい!」




「もうすぐ肥山君と日高の試合が始まる!」




「行かなきゃ!!」




「行こうっ、未苑!」




「れっつごー!」




やっぱり私は




こうでなくっちゃ!