俺もバカだな。
もっと早く気付いとけばよかった。
俺がいなくなれば、みんな幸せなるんだ。
それに、知ってるんだ。
母さんも、父さんも、俺をいないみたいに扱ってること。
実際、2人がどこにいるかも俺は知らない。
ある日目覚めたら、いなくなってた。
「はは、ははは。」
独りで大笑いしながら、俺はドアノブをひねったのだった。
スウェットのまま、誰もいない土手を歩く。
小さなころ、ここで遊んだような記憶がある。
その時には、俺の周りにはたくさんの人がいた。
でも今は、誰もいない。
そのことが、みじめで、苦しくて、逆に笑えてくる。
「ははははは。」
さっきみたいに、大声で笑った。
それから、目的地に向かう。
俺の向かっている先には、俺と川をさえぎる柵。
割と頑丈なつくりで、ゆらしてもびくともしない。
「・・・チッ。」
しかたない、飛び越えることにするか。
俺は舌打ちをしながら、柵をまたいだ。
そうだ、ここにおこう。
おもむろに、ポケットからスマホを取り出す。
俺はそれをつかんで、地面に叩きつけた。
鈍い音がして、画面が割れた。
「これを見つけんの、だれなんだろ~なぁ~?」
このスマホには、俺が瑠音が死んでからの、日記のようなものが入っている。
それを見たら、絶句するだろう。
だって。
俺の三年間の、全てが入ってるんだから。


