…と、そのとき。 「愛実、帰るよ」 私の頭の上から声が降ってきた。 その声を聞いて私は思わずギクッと体をこわばらせる。 …今の話、聞いてないよね? 恐る恐る顔を上げるといつもと変わらない顔のとーやがいた。 しかし、それはすぐにしかめられる。 う…やっぱり聞かれてたのかな? どうしようっ!! 「なに、砂原。うらやましいの?」 焦る私の隣からやや勝ち誇ったような声が聞こえてきたと同時にギューッと伊織が私に抱きついてくる。