春樹が泣いてるような土砂降り。

お医者さん2人に看護婦さん3人。
今は明日の臓器提供のための手術の話を
春樹のお父さんとお母さんと聞いている。

でも私は明日、春樹がいなくなることに実感がなく奇跡は起こらんかったって裏切られた気持ちでいっぱいで話の内容が頭に入ってこない。

「……以上で説明を終わります。
明日の10時から行いますのでご両親だけ
今日は春樹くんの側にいてあげてください。
明菜ちゃんは明日7時ごろから院内に入ってもいいからね」

「え…2時間しか春樹とおられへんの?」

「ごめんね、これは決まりだから…」

私はトボトボ春樹の病室に向かった。
開けた瞬間、春樹が『よっ!よう寝たわ〜、もう腰が痛うて痛うて』って…