とある昼下がり。

俺、神崎忍は、授業が終わるなり、イヤホ

ンを取り出していた。

開くアプリはもちろん

「『ラブライブ!〜スクールアイドルフェ

スティバル〜』!!」

「なあノブ、スクフェスくらい静かにやれ

ないわけ?」

そう言うあきれ顔のこいつは、親友の伴野

智弘。俺はトモと呼んでいるが。

「いや、これから静かにするとこだった

し?」

「嘘だな」「嘘ね」

声が重なる。

「なんだ、里香か」

「なんだってなによ」

そう言って拗ねたような仕草をするこの女

子生徒は、篠原里香。

成績優秀、品行方正、いわゆる優等生だ。

ちなみに俺はどれも普通…

傍から見ると仲がいいが、俺と彼女の関わ

りは、まだ2年目である。