―ren―

最近、辻が急に化粧をするようになった

めちゃめちゃ可愛い

だけど…心配なんだ


だから、似合ってるかって聞かれた時


「なんか辻じゃねーみたいだ
いつも通りで良いんじゃないのか?」


化粧してる辻も可愛いけど
いつものそのままの辻が俺は好きだ


いつも可愛い

そういう意味で言ったのに
辻は何故だか悲しそうな顔をして
教室に戻っちまった


何でだ?

意味わかんねーよ


屋上の地面を見てると
影が出来て顔を上げた


怖っ!!!

何で鬼のように怒ってんだ??

岳志と2人の世界でいたんじゃねーの?!


「ちょっと何で愛結泣かしてんのよ」

はっ?
泣いてはなかったぞ


「泣いてないし…ってか俺が知りたい」

俺のが訳わかんねーよ


「岡野って意外と鈍感なんだね」

呆れたように笑われた


「は?意味わかんねーよ」


「愛結はね…はぁ~、もう!!
昨日田端と岡野の会話聞いてんの
超普通って言われて気にしてんだよ」


「はぁ?田端なんてどうでも良いし
俺は普通だなんて思ってねーよ」


「じゃあ愛結があれだけ頑張ってるのに
何か言ってあげなよ
あんた彼氏なのに何やってんの?」


「辻はいつも通りで良いんだよ」


「だから
それをちゃんと言葉にしなきゃ
愛結には伝わらないでしょ」


もしかして…全く伝わってない?!


「本当、男って鈍いわね」


岳志が隣で苦笑いしてる

「原田サンキュ」


「バーカ!!」

俺は急いで屋上を後にした