あふれる、想い

辻を乗せて走ってると
上條と山口が見えた



「まじで辻は軽いな」

「えぇ本当かな?
女の子よく乗せてるの??」

「本当だって
女は辻が初めて
矢野によく乗られるんだけど重いんだよ」

女なんて乗せた事ない

よく告られるけど
好きな女じゃないと付き合う気しねー

適当に付き合えば良いじゃんって言われるけど
それは出来ない

岳志はそこが俺の良さだって言ってくれる
本当に良き理解者


「矢野君は背高いし男の子じゃん
一緒にしないでよ」

「あっそっか」

「もう」

「「あはは」」


通り過ぎる時
辻が笑ってて安心した


「辻また悲しい顔してるだろ?」

「してないよ~」


後ろだから顔が見えない

だけど、きっと辛そうにしてんだろうな



「辻が好きなのは上條か…」

「…違うよ~」

好きな癖に…

「そっか」


それ以上は何も言えなくて
いつものゲーセンにやってきた