家に帰ってベッドに横になっていると
鳴り響く電話

慶吾か…


「はい」


《帰ってたか!?!
良かった…どうなった?》


「あぁ…心配かけたな
大丈夫だ」


《そうか、まぢ良かったわ》


「…良かったのかな?」


《仲直りしたんだろ?
何をそんなに不安になってるんだ》


「岡野の存在がさ…」


《確かに…岡野の存在はな…
だけど、誰にだって過去はあるだろ?》


過去……か

愛結花が岡野を過去に出来てれば
問題ないんだけど

愛結花も…岡野も過去になんか出来てない


俺が2人の間に割り込んでるだけなんだよな


《ょう…しょう?》


「あっ?あぁ、何だっけ?」


《何にしろ辻はおまえを選んだんだから
いつまでも岡野を気にしてたら
辻だって翔だって岡野に囚われたままだろ》


「そんな事わかってるさ」


《未来はいくらでも変えられる
これからどうするかそれは翔次第じゃないのか》


俺次第だよな…

大事な事を見失ってた


「ありがとうな、慶吾」


《ははは、またな》


「おう」


慶吾は本当…大事な事を教えてくれる

大事な親友で心友だ

そんな事は照れくさくて言えないけどな



岡野がいない今、俺が考えなきゃいけないのは

誰よりも大事な愛結花を幸せにする事だ